理事長あいさつ

理事長 坂本 篤裕
明日の社会に貢献する人材の育成学校法人日本医科大学 理事長坂本篤裕


本法人が運営する日本医科大学と日本獣医生命科学大学はともに医学・獣医学において日本で最も長い歴史を持つ私立大学であり、日本医科大学では1万人を超える臨床医をはじめ、医学研究者、医療従事者を含む数多くの医療人を輩出し、日本獣医生命科学大学では同窓生が優に1万9千人を超え、多くの獣医師、研究者、獣医療人を輩出することで、社会に貢献し続けてまいりました。

1876年に長谷川泰により創設された済生学舎を源とする日本医科大学、1881年に私立獣医学校として開設された日本獣医生命科学大学、1921年に始まった看護教育をルーツとする看護専門学校の三つの学校を設置しているのが、学校法人日本医科大学です。時代は変わっても日本医科大学の根底に変わらずに受け継がれてきたのは「済生救民」という建学の精神であり、「克己殉公」という学是、そして「我が身を捨てて、広く人々のために尽くす」というスピリットです。また、日本獣医生命科学大学は、「敬譲相和」の学是のもと、創造力・実践力に満ち、謙譲と協調、慈愛と人倫をわきまえ、人間性豊かな学究の育成をすすめてきました。これら建学の精神・学是は、“いかに社会に尽くすか”という一点に集約され、医学・獣医学および生命科学の世界を目指す若者たちにとって“何のために生きるのか”という志にも通じると言えるでしょう。明日の社会を支える人材の育成機関としての本法人は、これらの志を何よりも重く受け止め、医療人・獣医療人・生命科学者として誇りある生き方を実践するための組織環境づくりに取り組んでまいります。

1法人2大学をもつ本法人の特徴のひとつは、いわゆる「One Health」 です。人間の医学も動物の獣医学も共に医学であり、両学部を併せ持つ本法人は、相互ならびに関連組織との連携を図れる、まさに「One Health・One Medicine」の実践に相応しい組織です。さらに、現在の国際社会に求められている地球環境の健康・世界全体の健康に対して、分野を超えた学際的アプローチにより「One World・One Health」に貢献できる、すなわち、医学、獣医学、畜産学、環境科学等の数多くの専門科が協力して全ての健康を一体的に捉えることのできる組織です。また現在の体系を生かしつつ、医療系・健康科学系の総合法人として広い分野に拡大・飛躍を目指していきます。

現在、日本医科大学の本拠地である千駄木地区再開発、付属4病院の新・改築、日本獣医生命科学大学のキャンパスおよび富士アニマルファームの改築等の施設整備が継続して行われています。無論、学校法人としての変革はこれにとどまるのではなく、時代の変化を先取りする形でさらなる進化を続けていかなくてはなりません。発展の著しい工学等の関連分野をいかに取り入れていくかという視点は不可欠ですし、最新の経済学の考え方を大学運営に反映させることも必要となってくるでしょう。明日の人材育成という社会的使命を果たす上で、財政のさらなる安定化を目指したアプローチも求められます。しかし何よりも重要となるのは、医療人・獣医療人・生命科学者として“自ら学ぶ”という主体性ある姿勢を貫くために、一層の環境の整備を図ることです。それが「克己殉公」「敬譲相和」という普遍の価値観を受け継ぎ、未来に向けて社会にさらなる貢献を続けていく上で不可欠だと考えております。

本法人はこれからも教育、研究、医療機関として、明日の社会に貢献する多くの医師・獣医師、医療人・獣医療人、生命科学・健康科学系研究者を育成し、人類と動物の健康や福祉の向上、地球全体の健康に貢献してまいります。