主な研究内容

 教室で行っている研究は多岐にわたりますが、生活習慣病予防の分子的基盤の探求を共通テーマとして、3つのグループの研究テーマの他、他教室・外部施設との間でいくつかの共同研究を行っています。

1. 組織石灰化の分子機構とミネラル代謝(グループリーダー:折茂教授)
 骨などの硬組織は、コラーゲン線維にリン酸カルシウムの結晶(ハイドロキシアパタイト)が沈着して石灰化が起こることにより生成します。骨では肥大軟骨細胞と骨芽細胞がこの機能を持ち、細胞膜から芽出する基質小胞内で最初にハイドロキシアパタイトが形成され、ついでハイドロキシアパタイトは基質小胞膜を貫通して伸展し、コラーゲン線維に沈着して石灰化が完成します。骨軟化症や骨粗鬆症では石灰化の異常が存在します。また、血管壁などの異所性石灰化でも、基本的には正常な石灰化と同様の機序で起こると考えられています。この過程では多くの分子が関与しますが、特にハイドロキシアパタイトの伸展に必須の酵素である組織非特異型アルカリホスファターゼ(TNAP)と、その遺伝的欠損症である低フォスファターゼ症(HPP)の分子レベルの解析を中心に研究しています。HPPは稀な疾患ですが、最近酵素補充療法が成功しつつあり注目されています。

 主な研究プロジェクト
  1) エピジェネティック調節を含むTNAP遺伝子の発現調節
  2) TNAP蛋白質(正常、変異体)の構造解析
  3) TNAP蛋白質の糖鎖修飾とその異常
  4) 基質小胞のオミックス解析
  5) 血管壁異所性石灰化の分子機構、特にTNAPの役割
  6) HPPの分子遺伝学的解析と治療法の開発(共同研究)
  7) TNAPの多型解析とニュートリジェネティクス(共同研究)
 

2. キサンチン酸化還元酵素(グループリーダー:岡本准教授
 研究の対象としているキサンチン酸化還元酵素(XOR)は分子量30万のタンパク質で、補酵素としてフラビン、鉄硫黄中心、モリブデンを持つ巨大で複雑な構造の酵素です。プリン排泄系の最後のステップであるキサンチンから尿酸への水酸化反応を触媒します。触媒反応にモリブデンを用いる珍しい酵素です。私たちはXORの構造、反応機構、病態生理への関与について研究を行っています。XORは阻害剤が痛風・高尿酸血症の治療薬として用いられます。私たちはXOR阻害剤の阻害機構の解析、特に強い相互作用の阻害剤(tight binding inhibitor)とタンパク質分子との相互作用についての研究を行ってきました。このテーマは創薬との関係も深く、今までにいくつかの製薬会社との共同開発を行いました。そのなかには臨床の場で痛風治療薬として用いられている化合物(febuxostat;フェブリク、topiroxostat;ウリアデック)もあります。
 
 主な研究プロジェクト
  1) キサンチン酸化還元酵素(XOR)の構造解析と反応機構
  2) 痛風治療薬のXORの阻害機構の解析
  3) XORによる活性酸素の生成機構
  4) 活性酸素生成に関連する疾患モデルの解析(共同研究)


3. 金属酵素の構造機能進化(グループリーダー:岩崎講師)
 主に国内外共同研究を中心に、下記研究課題を中心にすすめています。委細については研究ホームページ(リンク) をご参照下さい。

 主な研究プロジェクト
  1) 好熱菌等の酸化還元金属酵素などの構造機能に関する基本原理および機能進化解析
  2) MitoNEETファミリーの構造機能生理解析


4. 主な共同研究
 1) Cochlinの遺伝子解析、構造解析、生理機能と病態
 2) 卵巣のプロテオーム解析
 3) 医科栄養学教育

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