微生物学・免疫学

 

微生物学・免疫学 

高橋 秀実 大学院教授

人体に内在する生体防御機構としての免疫系の仕組みが次第に明らかとなり、生体には疾病を制御する実に巧妙な能力が備わっていることが知られるようになって きました。一方従来医療が治療行為の対象としてきた発熱、下痢、嘔吐などの症候の多くは、様々な体内異物の増殖を抑制したり、それらの排泄を促進すること によって自らの恒常性を維持するための一種の自己防衛の機序に起因することも解明されてきました。


これまでの医学教育では、疾病を引き起こす原因としての微生物群や、異常化した自己細胞としての癌細胞といった体内異物の性状解析、あるいはその排除方法 にその主眼がおかれてきましたが、学生時代よりこのような「内在する疾病と闘う力」の存在を、それらの反応が引き起こす「症候」とともに認識、理解させる ことは、将来患者さんを診察する場合、局所における単なる異常状態のみを診るにとどまらず、疾病と闘っている人間そのものを考える医師あるいは医学者を排 出してくために教育上大切なことであると考えています。

また医師、医学者としての究極の目的は、人体あるいは生命体としての動植物に内在する仕組みを観察し学び続けることにより、その中に存在する統一された崇高な自然界の法則に驚くとともに、畏怖の念を感じるとることであると思います。

したがって患者さんより得られた事象あるいは実験研究の結果をもとに既成の概念にとらわれることなく、卒業生の方々とともにその現象を観察し歩んで行くこ とができればと願っています。そのためには自然の法則を見るための基礎的トレーニング、すなわち文献を通じた知識の整理、現象を正確に把握するための研究 方法などのテクニックを学び、事象の裏に隠されている真実を見抜く方法を訓練することが重要であると考えています。

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